2010/6/10 Thursday

韓国ロケット「羅老(ナロ)」 打ち上げ失敗/宇宙での国際協力

Filed under: 宇宙 — ono @ 22:55:05

韓国にとって初の自力での人工衛星の軌道投入を目指したロケット「羅老(ナロ)」が、打ち上げに失敗した。これで二度目の失敗となる。

過去には日本も、初成功までに四度の失敗を繰り返した。アメリカも初の人工衛星「エクスプローラー」を成功させるまでは失敗の連続だった。その頃と比べ現代は失敗をしづらい時代ではあろうが、韓国にはぜひ、この失敗を乗り越えて頑張って欲しい。

一方で、以前の記事にも書いたが、ただでさえ世界には多すぎる数の国営ロケットがあって、ほんの小さなパイを取り合っている。さらにその種類が増えることは、打ち上げコストの観点からは好ましくないのも事実。

とはいえ、ロケットはトラックや貨物列車とは違い、単なる人工衛星の輸送手段ではなく、その国の技術力の到達点を示す金字塔となるものだ。国民が誇りにするものだ。韓国国民がこのロケットに期待する気持ちは、日本国民が野口さんの宇宙飛行に期待する気持ちと同じだろう。次回の成功を期待する。

宇宙はもはや、アメリカとロシアの独断場ではなくなろうとしている。冷戦の道具でももはやない。日本は、アメリカ一辺倒の宇宙における国際協力を脱し、今後は韓国やインド、ブラジルなどの「新興宇宙国」と積極的に連携するべきだ。

偶然だが、日本はロケット打ち上げに非常に良い環境に恵まれている。国の東側に太平洋が開けていることだ。ロケットを使い人工衛星を打ち上げる場合、東に向けて打つと、地球の自転を利用でき、最も効率よく地球周回軌道へ到達できる。気象、通信、放送衛星に有用な静止軌道へ人工衛星を投入する場合、もし東向きに打ち上げられないと、(より大きな面変更が必要なので)さらに大きなディスアドバンテージとなる。

しかし、韓国を含む多くの国は、東側の海(あるいは砂漠や無人地帯)が開けていない。万が一、ロケットが失敗して他国の領土に落ちれば政治問題になるので、効率を犠牲にして他の方向へ打ち上げることとなる。韓国の場合は、真東に人口密集地である日本列島があるため、それを避け、東シナ海が開けている南に向けて打った。(一方、韓国の北にある、かの非常識な国は、日本本土の上空を無理やり通過させようにロケット(ミサイル?)を打ち上げたが・・・。)

種子島宇宙センターが持つ絶好の地理条件を利用したい国は、多くあるのではなかろうか。日本の宇宙における国際協力はアメリカ一辺倒だが、今後はこれをカードにして、多角的な国際協力を進めるべきだ。

ヨーロッパは既に、南アメリカにあるフランス領ギアナの打ち上げセンターをロシアにも使わせる計画である。フランス領ギアナは、アメリカ・フロリダと共に、未来の「ハブ宇宙港」となるだろう。種子島はまた、国際競争に取り残され、「ガラパゴス」となるのだろうか。

2 Comments »

  1. ロケットの打ち上げ失敗で、ヒドラジンぶちまけて村一つ潰す国があるくらいですから、種子島を得体の知れない団体に下手に使わせないほうがいい気が・・・
    メキシコ湾みたく環境汚染が手遅れになったとき、後悔しすぎても遅すぎます。
    #ところで、MITでベンゼンC6H6の大気中濃度を測定している場所ありますか?

    Comment by ワンダンラ — 2010/6/12 Saturday @ 9:22:22

  2. 祝!はやぶさ帰還!

    Comment by YH — 2010/6/13 Sunday @ 23:32:10

RSS feed for comments on this post. TrackBack URI

Leave a comment

Copyright (C) 2005 Masahiro Ono
HTML convert time: 0.301 sec. Powered by WordPress ME